「募集の背景」は、転職のタイミングの重要なカギを握る?

中途採用の求人の募集の背景は、大きく分けて以下の3種類のパターンがあります。

1つ目は、ある特定のポジションが何らかの理由で欠員になった場合の求人。
2つ目は、業績拡大のための増員。
3つ目は、長期的な組織形成のための体制強化。
それぞれの募集の背景によって、求職者側の動き方は変わってきますので、ご紹介します。

1つ目の欠員募集の場合は、採用企業側が「タイムリミット」を設けていることがほとんどです。
現社員の退職や異動などによる欠員という状況は、退職や異動の時期が決まっており、
その時期までに中途採用を行います。
採用企業にとっては、その時期までに採用できるかどうかがポイントで、求職者側にとっては、
その求人が出ているタイミングで転職を考えていないと、その会社のそのポジションには就くことができないため、
最も「タイミング」に左右される求人です。
このような募集の場合は、あまり悠長に構えていると他の人が採用されて、求人がクローズする可能性がありますので、
求人に興味があれば早めにアクションをした方が良いでしょう。

2つ目の業績拡大のための増員は、文字通り、「人を増やして業績を拡大させる」ことが目的です。
仕事を取ることが仕事の営業や、専門性が求められるシステムエンジニアなどは、よく増員募集が見られます。
企業によっては、「優秀な人材であれば、いくらでも採用したい」というスタンスの会社もあり、
通年で募集をしている会社もよくあります。
こういった募集は、よほど何か大きな理由(例えば、リーマンショックのような大きな経済危機)がない限りは、
求人がなくなってしまう可能性は低く、常に採用の門戸が開かれている状態です。
入社の時期については、「できるだけ早く入社して欲しい」とは言われるものの、転職希望者の都合の良いタイミングで
入社できることが多いです。

3つ目の、体制強化の募集というのは、3年後、5年後、10年後を見据えた幹部候補の採用というような、
中長期的な視野での募集になります。つまり、「緊急ではないが、重要な採用」です。
このような場合、採用する企業側は通常の採用よりも慎重になり、採用要件も厳しくなる傾向にあります。
緊急ではない採用のため、面接の回数が多くなったり、応募から内定、入社までの期間が長くなったりする傾向にあります。
求職者側にとっても、企業をじっくり見極める機会、時間が多くなるというメリットがありますが、
同時に転職活動自体が長期戦になることにもなります。
また、このような募集であれば、入社の時期の希望は叶いやすいです。

「求人は水物だ」とよく言われるように、その時々の企業側の事情によって、求人が終了したり、
ペンディングになったりすることは珍しくありません。
転職を本気で考えている方は、タイミングを逃さないように、アンテナを張り続けて、
常に新しい情報に触れておくことをお勧めします。