退職時期、退職交渉について

「どうすれば円満に退職できるのか」「いつ、退職の意向を伝えれば良いのか」
「退職の意向を伝えると、強い引き留めをされてしまったが、どう対処すれば良いのか」などと、
転職をする方々が頭を悩ませることが多いのが、退職交渉です。
これまで私どもがご転職の支援をした方の例を挙げながら、退職交渉の方法についてお伝えしたいと思います。

◎退職の時期はどうやって決める?
民法上では、退職日の14日前までに退職の意向を会社に伝えれば問題ないとされています。
ただ、現実的には今行っている仕事の引き継ぎをしなければならないことが多いため、
退職日の1ヶ月~2ヶ月前に伝えるのが一般的です。
例えば、9月10日に転職先への入社意思を伝えた場合、11月1日に入社といった具合です。
引き継ぎの期間を考慮して退職日を決めた上で、上司、同僚などにしっかりとご自身の仕事の引き継ぎをすれば、
円満な退職が実現できるでしょう。

◎引き留めや退職日延長を打診されたら…
今の会社から強い引き留めをされたり、退職日を3ヶ月、半年先に延ばして欲しいと言われたりするケースは
少なくありません。
転職先企業が、内定から3ヶ月も半年も待ってくれることはまずありませんし、転職先への入社日を先延ばしにしても、
良いことは一つもありません。
退職日の延長や引き留めは、「後任がいないから」「退職者を出すことで、上長である自分の評価が下がるから」
「辞めることが決まっていても、できる限り今の仕事をやってもらいたいから」など、現職の会社側の都合にすぎないことが
ほとんどのため、会社側の要求をそのまま呑む必要はありません。
これまで現職の企業にお世話になったことへの感謝の気持ちを伝えた上で、
「転職先の入社日が決まっています。引き継ぎはしっかりと行うので、●月●日で退職させてください。」
とはっきりと伝え、退職届も忘れずに提出しましょう。

◎退職を告げるのは、基本的には転職先が正式に決まってから
現職に退職を申し出るタイミングは、基本的には転職先が決まってからにしましょう。
もっと言えば、転職先の企業からの「条件提示」を貰ってからがベストです。
条件提示とは、労働条件について詳しく記載された書類で、「労働条件通知書」「雇用条件通知書」「雇入通知書」
などという名称が付けられています。
この書類の発行をもって、正式に企業から内定を貰うことになります。
逆に言えば、口頭で「内定です」と言われても、条件提示を受けていない段階で早まって退職を申し出ない方が得策です。
雇用条件が想定よりも著しく低いなど、募集要項と全く異なるという可能性がゼロではないからです。
また、転職先の目処が全く立たないまま、先に退職をすることは更にリスクが高いので、おすすめしません。
どのようなリスクがあるかは、何となく想像が付くかと思いますが、次回のブログで詳細にお伝えしたいと思います。

退職交渉は、精神的に非常に重く感じることですが、転職をする際は誰もが必ず通る道です。
身近に転職を経験した人がいなければ、是非ご相談いただければと思います。