転職先が決まる前に退職をするリスク

前回のブログで触れた、先に退職をするリスクについてお伝えします。
全く予想していなかった突然の会社解散などといった、予期せぬ事態を除けば、転職先が決定する前に
今の会社を退職する(退職の意向を伝えることも含めて)ことは、様々なリスクがありますので、おすすめはしません。

◎希望条件を満たす転職先がすぐに見つかるとは限らないし、希望の転職先に必ず入社できるとは限らない。
転職先に求める条件や仕事内容に、全くこだわりがない人はほとんどいないでしょう。
世の中には、たくさんの会社が存在しますが、「入社したい!」と強く思える企業は想像しているよりも少ないもの。
また、仮にそのような会社があったとしても、その会社が中途採用を行っていない時期かもしれませんし、
中途採用をしていても募集職種が違うかもしれません。
また、転職希望者が入社を希望しても、その会社の求めるスキルや能力と異なるという場合もあります。
求人が多いからといって、「すぐに良い転職先が見つかるだろう」と安易に考えるのは、非常に危険なことです。

◎離職期間の長さは、転職活動に不利になることが多い
すぐに転職先が見つからず、転職活動に時間が掛かってしまうと、「離職期間」が長くなってしまい、
書類選考や面接での評価が上がりにくくなります。
正確なデータや統計はありませんが、一般的に3ヶ月以上離職期間があると、書類選考で不利になることが多くなります。
企業側は「離職している間、一体何をしていたのだろうか?」「この人には、他の企業からも採用されないネガティブな理由が何かあるのではないだろうか?」と、勘ぐってしまうのです。
一般的な中途採用は、まず書類選考からスタートしますので、採用基準が高い企業であればあるほど、
離職期間がネックになって不採用になる可能性は高くなります。

◎現実的に、生活が厳しくなる
5年、10年収入がなくても生活できるほどの資産があれば別ですが、大抵の人は月々の収入で生活費をまかなっていると
思いますので、実際に収入がなくなってしまうのは想像以上に心もとないものです。
倒産などの会社都合の退職であれば、ハローワークで手続きを行えば約1ヶ月で失業保険の給付がありますが、
自己都合での退職の場合、失業保険の給付は手続きから約4ヵ月後になります。また、失業保険の金額も減額となります。
転職をする際は、可能な限り収入に切れ目がないことが望ましいです。

転職の理由は人それぞれですので、絶対に先に退職してはいけない訳ではありません。
今の職場の労働環境が劣悪すぎて、健康を害するような状況であれば、先に退職をせざるを得ないこともあります。
ただ、退職をすると、会社に属していると当たり前のことがなくなってしまうということを忘れてはいけません。
月に1度の給与の支給があることや、社会保険料が給与から天引きされていることは、会社に属さなければ
当たり前ではなくなるのです。

「一刻も早く退職したい!」という気持ちの方も多いかと思いますが、現実的なリスクを考えて
転職活動を進めることをお勧めします。