転職活動は、「面倒なこと」の連続です。

今回は、転職活動で「時間」と「手間」を掛けることの重要性についてお伝えしたいと思います。

転職活動は、当然のことながら社会人の方が行うものですので、仕事をしながら並行して活動する方がほとんどです。
新卒の就職活動であれば、大学3年生後半から4年生という、比較的自由な時間がある時期のため、
ほぼ
100%の時間とパワーを就職活動に割くことができますが、転職活動ではそうはいきません。
現在の仕事が忙しい人ほど、転職活動に割くことができる時間は限られています。

最近では、様々な転職メディアや転職エージェントの情報がインターネットなどを通して簡単に得ることができますが、
情報を得るだけでは当然、転職活動をしていることにはなりません。
転職をするためには、下記のようなプロセスが必要になってきます。

・転職の軸の決定
・自分のキャリアの棚卸しと考えの整理
・履歴書や職務経歴書の作成
・転職エージェントとの面談
・応募したい企業の情報収集
・応募後の面接調整
・面接の対策

「転職活動」と一言で表現すると簡単そうではありますが、実は非常に時間や手間がかかることです。
つまり、「面倒なこと」をたくさんしなければなりません。
この、「面倒なこと」を避けていると、いつまで経っても転職はできませんし、運良く転職できたとしても、
その転職先で上手くいく可能性は非常に低いです。
具体的に、どのようなことが必要なのか、また何故面倒なことを避けて通れないのかについて、いくつか例を挙げて行きます。

 ■転職の軸を決めず、キャリアの棚卸しをしないと・・・
以前のブログにも記載しましたが、「何故転職をしたいのか」「転職先に何を求めるのか」
「自分のこれまでのキャリアの中での一番の強みは何か」など、転職の軸を明確にし、自分のキャリアの棚卸しをすることが重要です。
「キャリアアップしたいから」「今の会社では、将来性がないから」といった漠然とした考えから安易に転職をすると、
転職をしても「こんなはずではなかった」「思っていた仕事と違った」と感じるようになることが多いです。 

■履歴書や職務経歴書の作成に手を抜くと・・・
履歴書と職務経歴書は、採用企業側が初めて目を通す書類です。
履歴書や職務経歴書に誤字や誤記載があったり、企業が知りたい情報をしっかり書いていなかったりすると、
志望度が低いと思われたり、丁寧な仕事ができない人と見なされます。
ゼロから自分の職務経歴を書き出すことは、なかなか大変な作業ですが、集中して取り組めば23時間程度で完成できるものです。
履歴書や職務経歴書の作成を億劫に感じていたり、先延ばしにしてしまっていたりする方は、そもそも転職意欲が低い方が多いです。
そのような方は、転職とは別の選択肢を選んだ方が良いかもしれません。

 ■転職エージェントとの面談の時間を惜しむと・・・
転職エージェントを利用して転職を行うのも、利用しないのも個人の自由ですが、転職エージェントは
求人の細かな情報を伝えたり、職務経歴書や面接のアドバイスを行ったり、面接や採用条件の調整・交渉を
求職者の代わりに行ったりなど、求職者側にメリットが大きいので、利用する方は増えています。
我々がコンタクトを取る求職者の方の中には、「面談の時間は取れない。良い条件の求人があったら紹介して欲しい」と
仰る方がいらっしゃいますが、転職エージェント側からすると、求職者の方が本当に求めている要素がわからないため、
ご紹介のしようがありません。
“受け身”の姿勢でいると、本来入ってくるはずの情報を得られないこともあります。
転職エージェントによっては、ご自身の希望する求人を扱っていない場合もありますが、紹介できる求人がなくても
転職に関するアドバイスをすることも可能です。
ご自身にとっての有益な情報は、どこにあるかわかりませんので、転職エージェントを上手く利用して
情報を得るようにしていただければと思います。

 ■応募企業についての情報収集を怠ると・・・
転職エージェントに勧められるがままに求人に応募したり、会社の名前(ブランド)だけで応募をしたり、
十分に企業の情報を得ないまま選考を受けることもお勧めしません。
その求人では、どのような役割が期待されているのか、どのような背景で求人が出たのか、
会社の考え方(理念)が自分の考えにマッチしているのか、どのようなタイプの人がその会社で活躍しているのか・・・など、
年収などのハード情報に加え、可能な限りソフト情報(求人票には書いていない情報)を得た上で選考を受けることをお勧めします。
会社のブランドや年収だけで転職をして、入社してみると全く自分の考えや働き方と合わなかったため、
転職を繰り返してしまう方も多くいらっしゃいます。
また、準備不足のまま選考を受けて、不採用になった場合、再チャレンジできない場合も多いので、
選考の事前準備はしっかりと行うことをお勧めします。

 長々と書いて来ましたが、お伝えしたいのは、転職活動は想像以上に、時間的にも、精神的にも、
肉体的にもパワーが必要だということです。
そのパワーを掛けられないのであれば、転職活動をするべきではないと我々は考えています。
その後の人生を左右する転職という大イベントを、時間や手間を惜しんで「手軽に」「気軽に」取り組んでしまうのは、
極めてリスキーなことです。本気で転職を考えている方は、是非念頭に置いていただきたいと思います。