ほとんどの人が転職後にぶつかる「壁」について

今回は、転職をした方の大多数がぶつかる「壁」にフォーカスしたいと思います。
ここで言う「壁にぶつかる」とは、転職先の職場で何かしら“上手くいっていない”状況になり、「退職したい」という気持ちになることを指します。
人によって、「壁」にぶつかる時期は様々ですが、入社直後~1年以内という、入社から日が浅い時期に経験する方が多いです。 

では、どんなことが「壁」の要因になるのでしょうか?
原因になる要素は異なりますが、よくある例をいくつか挙げていきます。 

①新しい人間関係の形成によるストレス
中途で入社した人は、「既に作り上げられてきた組織」に新参者として入っていかなければなりません。
入社当初は、同僚となる人たち11人の人柄はわかりませんし、自分の人柄も知られていません。
いわゆる、「完全なアウェイ」の状態からスタートする訳です。
入社してから1ヶ月以内は、この人間関係の形成でストレスを感じる人が多くなります。 

②前の職場とのあらゆるギャップ
同じ人が存在しないのと同様、同じ会社は存在しません。
同業・同職種の転職であっても、仕事の進め方や企業風土は全く異なります。
採用時の面接である程度聞いていたとしても、人事や役員、管理職といった一部の人からの情報ですので、
実情と差異があることは少なくありません。
例えば、残業に対する考え方や、有休の取りやすさ、細かな社内ルールなどは、求人票には記載されていませんし、
実際に働いてみないとわからないケースが多いです。
良い意味でのギャップであれば良いですが、悪い意味でのギャップがあると、「前の会社は…」と言いたくなることもあるでしょう。
自分でも気づかないうちに、前の会社を基準に物事を見てしまい、これが「カルチャーショック」に繋がるのです。

③自分自身への失望感
前の会社で活躍していた人であればある程、新しい会社で戦力となり、貢献できるようになるまでの間、無力感に苛まれる傾向にあります。
②でもお伝えしたように、会社毎に仕事の進め方は異なります。顧客や市場が変わったり、扱う製品・サービスが変わったり、
使用するソフトが変わったりなど、職種として経験があったとしても、最初はゼロからのスタートです。
異業界や異職種に転職をした人であれば、仕事に慣れることに尚更時間がかかり、歯がゆい思いをする期間は長くなります。
このように、転職後に短期間で目に見える仕事の成果を上げられる人は非常に少なく、それゆえに無力感や自分自身への失望から、
再度転職をしたいという気持ちになるのです。 

このような壁にぶつかった際に、短期間で安易に目の前のストレスから逃げ出してしまうことは、誰にとっても良いことではありません。
短期離職をして、違う会社に入社しても、また同じことを繰り返してしまう可能性は十分にあります。
日本の企業の大多数が、短期間に転職を繰り返す人を好んで採用しようとはしません。
自社に入社しても、またすぐに辞めてしまうのではないかと懸念するからです。
そうなると、完全に転職の悪いスパイラルにはまってしまうことになります。
※もちろん、精神的・肉体的に健康を損なうような、誰の目からも明らかなほど酷い環境であれば、
自分を守るために逃げる必要もあります。 

このような悪循環に陥らないよう、次回のブログでは「壁」への対処法についてお伝えしようと思います。