履歴書・職務経歴書作成時のポイント ~職務経歴書編~

今回は、職務経歴書を書く際のポイントについてお伝えします。
職務経歴書は、その名の通り、職務経歴について詳しく記載する書類です。

履歴書と比べ、これまでのキャリアや仕事内容によって書く内容が人によって大きく異なるので、
職務経歴書の作成に苦労される方は多いです。職種が異なっていても、ポイントとなる点は共通することが多いので、
よくある事例をご紹介します。 

◎最も大事なのは、「具体性」
具体性に掛ける職務経歴書を書かれる方は非常に多く、7~8割の方にご指摘させていただいています。
文章が抽象的すぎて、読む側に伝わらない職務経歴書は、非常にもったいないです。
よくある例を挙げてみます。(職種は、銀行の法人融資担当とします。)

~悪い例~
■担当顧客:大手・中小法人
■担当エリア:福岡県
■実績:融資額10億円
■ポイント
・お客様へのアプローチ回数を増やすことで、融資ニーズをキャッチすることができた。
・お客様の困り事をしっかりとヒアリングし、信頼を得ることで、融資額の大幅アップに繋がった。
上記はかなり極端な例ですが、「増やす」「ニーズをキャッチ」「お客様の困り事」「大幅アップ」といった文言は、
非常に漠然としているため、読む人(経営陣や人事)に伝わりにくく、アピール不足になってしまいます。

~良い例~
■担当顧客:自動車部品メーカー(東証二部上場)、ソフトウェア開発会社(JASDAQ上場)、
半導体製造装置メーカー(非上場)など約30社
■担当顧客規模:売上高30億円~1000億円
■担当エリア:福岡市及び周辺地域、北九州地方、筑豊地方、大分県の一部、佐賀県一部
■ポイント
・他行がメインバンクであった、業績好調の半導体装置メーカーに対し、取引先の紹介や個人の資産運用相談等で
関係構築を図り、およそ1年半をかけ融資取引含めて全ての取引の肩代わり(融資額●●百万円)を行った。
その後、社長個人の土地売却代金の運用、自社工場増築の融資、従業員の個人ローン獲得等、幅広い収益機会を
獲得することができた。

機密保持のため、取引き先についての詳細な情報を出せなくても、「●●メーカー」というような
特定されにくい表現を使い、具体的にどのようなアクションを起こしてどのような結果になったのかを記載すると、
読む側にとってイメージがしやすくなります。
もちろん、これまでの全ての仕事を書くとキリがないので、目標達成や表彰受賞に際して
大きなインパクトがあった事例をいくつか挙げると良いでしょう。

◎年月の書き間違いにご注意
年月の書き間違いは意外と多く、2~3割の方がこのミスをされます。
日本では、西暦と和暦どちらも使用しますが、履歴書や職務経歴書はどちらを使っても問題ありません。
異動や昇進した時期や、転職をした時期など、過去になればなるほど曖昧な記憶を辿って書かなければなりません。
その為、1年ずれて書いてしまうことはよくあります。
書き終えた後に、履歴書・職務経歴書ともに年月に矛盾がないかを確認する必要があります。

◎ボリュームやレイアウトについて
最後に、あまり多い事例ではありませんが、ボリュームが極端に多かったり少なかったり、
構成のバランスが悪くなることがあります。
ボリュームは職歴によりますが、1ページ~4ページぐらいに収まるのが理想です。
あまりに長すぎると、読む側が疲れてしまいます。
部署の異動があれば、所属部署ごとに項目を分けて書くと良いです。
書式やレイアウトは特に決まったものはありませんので、インターネット上にアップされている
職務経歴書の雛型を利用すると良いでしょう。

職務経歴書の書き方には「正解」がないため、難しく感じる方が多いですが、選考に関わる重要な書類ですので、
一手間、二手間かけて作成することをお勧めします。