慌てて転職をしない方が良いと思われる人、そもそも転職をしない方が良いと思われる人

これまでご相談に来られた方の中で、「慌てて転職をしない方が良いですね」とか、
「そもそも転職をあまりお勧めできないですね」とお伝えした方が何名もいらっしゃいました。
私どものような転職エージェントは、転職が決まり、クライアント企業に入社していただいて
初めてビジネスが成立するので、「転職をしない方が良い、慌ててしない方が良い」とお伝えすることは、
商売と完全に逆行してしまいます。
それでも「転職をしない方が良い」とお伝えするのには、もちろん理由があります。

転職は、就職、結婚、出産、家の購入などの大きなライフイベントと同様、人生における大きな分岐点と言えます。
転職によって得たいと思う何かがあるから転職をしようと考える訳ですが、転職によって
全てが好転する訳ではありませんし、職場を変えるということは、大なり小なり「リスク」を負うことでもあります。
転職のリスクについて考えられていない方には、転職を積極的にお勧めしないことが多いです。 

過去に、転職をお勧めしなかった方の例について、いくつか具体的にお伝えしていきます。

①転職の理由が不明確な方
「もっと良い職場があるのではないか」とか、「今の仕事が本当に自分に合っているのか」というような、
いわゆる“青い鳥症候群”のような転職理由の方には、転職をお勧めしません。
もっと良い職場を求めて転職しても、「前の職場の方が良かった」と感じる方が多いですし、
本当に自分に合っているかどうかわからない状況で転職先を探しても、また答えのない自分探しが続いてしまい、
また同じ過ちを繰り返してしまうことが多いです。
ちなみに、転職活動で現職以外の会社を見ることで、現職に留まる決断をする方もいらっしゃいます。
転職が全てではないですし、一度動き出したからと言って、絶対に転職をしなければならない訳でもありません。
内定を得たとしても、違和感や迷いがあれば辞退しても良いのです。
中途半端になんとなく転職をしてしまうことが、最も危険なことです。 

②転職して間もない方
転職して12年程(もしくはもっと短い期間)で転職を考えている方にも、あまりお勧めしません。
転職をして間もない期間は、新しい職場に馴染みきれなかったり、仕事の進め方や方針が前の会社と
ギャップがあることで「カルチャーショック状態」になったりと、「辞めたい・・・」と思うシチュエーションが
少なからず出て来ます。
ただ、そこで踏みとどまれないと、何度も転職を繰り返してしまう、いわゆる“ジョブホッパー”になってしまう
可能性が高いです。
自ら「異文化」に入り込むので、入社してしばらくの間は色々なストレスを感じてしまうのは、当然です。
これまでのやり方や考え方が違うのは、違う会社なので当たり前のこと。
それを受け入れて、自分から馴染んでいかなければ、どこの会社に入っても同じことを繰り返してしまいます。
また短期間の離職は、採用する企業からはマイナスの評価になりがちということも事実です。
会社の倒産や、家庭の事情でどうしても転居をしなければならないというような特殊な状況でない限り、
短期で離職することはリスクが大きいです。 

もちろん、転職をするかどうかを最終的に決めるのは、転職をする本人です。
ただ、本当に転職をするべき状況に置かれているのかどうかについては、私どもはお話を聞いた上で
客観的にアドバイスをさせていただいています。